個人事業主が審査を気にせず借りられるUR賃貸。不動産屋から借りる必要なし
個人事業主は不動産賃貸の審査が厳しく、借りられる部屋が限られている。そのような前情報が独り歩きして、フリーランス歴5年目になっても狭い賃貸物件に住み続けていました。
僕の仕事は、パソコン作業がメインの在宅ワーク。そして室内で写真や動画を撮影する機会も増え、そろそろ独立した仕事部屋がないと不便な状況に。そこで個人事業主でも簡単に借りれる間取りが広い物件を探したところ、理想的な物件と出会えたというのが今回の話。
その物件は UR 賃貸住宅です。
契約するための収入などの条件が明確で、個人事業主であっても審査の条件はサラリーマンと同じ。手続きは流れるように進み、物件を見つけた1ヶ月後には新居への引っ越しが完了しました。
UR賃貸住宅って何だ?
詳しく知らなくても「♪ UR であーーーる」の CM はご存知ではないでしょうか。吉岡里帆さんと千葉雄大さんが出演しています。
UR 賃貸物件の特徴
UR 賃貸は、不動産屋から借りるより 圧倒的に初期費用が安い のが特徴です。
運営組織である UR 都市機構が保有している物件を、直接契約で貸し出している。不動産屋を仲介しないから、余計な費用が取られず安く済む。それが UR 最大のメリットです。
- 敷金は2ヶ月分
- 礼金0円
- 仲介手数料0円
- 更新料0円
- 保証人不要
- 保険加入が必須ではない
- 契約の審査条件が明確
- 1K ~ 4LDK 以上と様々な物件がある
保証人や更新料が不要なのは嬉しいポイント。これまで住んでいた物件は保証会社を通していたため、それらの費用が0円になるのはメリットでしかありません。
ただし金銭的な条件をクリアしないと賃貸契約できません。詳しくはこのあと解説します。
火災保険は、入居後に個人で代理店を探して契約する必要がある
家賃は高め、トータルコストはトントン
UR が保有する物件は、いわゆる団地が多くを占めています。そもそも公団住宅を管理している組織で、UR 賃貸住宅の入居者はのべ200万人を超えます。ウィキペディアには 世界最大の大家 と記載があるほど。
物件のタイプも様々。築40年を超える古い物件もあれば、30階超えのタワーマンションも貸し出しています。また建物が古くても、部屋はリノベーションされたメンテナンス済みの物件を提供。しかも、無印良品や IKEA によるリノベーション物件もあるのも魅力です。
近隣の類似物件に比べると、家賃は若干高いと思います。古い団地でもきちんと整備されているため、安く貸し出されていません。条件が良ければ一般的な賃貸物件でも良かったのですが、実際に契約してみると、UR のほうが面倒がなくて良い印象を受けました。
また更新料や保証会社の費用が掛からないのを考慮すると、ランニングコストは一般の賃貸物件と同等レベルです。
UR 賃貸を個人事業主が借りる場合
社会的信用度の低い個人事業主。ネットの情報を漁るだけでも、賃貸物件を探す苦労が垣間見えます。しかし UR 賃貸物件であれば、そんな苦労は一切ありません。
契約するまでの流れ
UR の物件は、公式サイトもしくは物件を借りたい地域にある UR の営業所に出向いて探すのが基本です。手っ取り早いのは公式サイトで物件を探し、インターネットもしくは電話での問い合わせからスタートする方法もあります。
なお他の賃貸情報サイトにも、UR の物件が掲載している場合があります。しかし情報更新の速さは公式が最速。他のサイトは残念ながら参考になりません。また問い合わせをすれば、ネットに未掲載の物件情報(これから掲載予定の物件)も教えてくれます。
空き部屋になった直後は、部屋の掃除が終わるまでネット上に情報が掲載されないそうです。
僕は公式サイトの物件ページから、問い合わせのメールを送りました。その日のうちに電話連絡があり、そのまま内覧を予約。そして電話の直後にサイトから物件情報が消えました。このスピード感も凄いです。
内覧予約すると仮予約状態になり、他の人に先を越されて契約されないよう物件がロックされます。だから公式サイトからも情報が消え、僕だけが唯一契約できる権利を持った状態になります。内覧予約までは早いもの勝ちですが、そこから安心して物件を選定できるのは UR の良いところです。
ただし仮予約できる物件は1件のみ。内覧後、物件を気に入れば本契約へ、または他の物件を仮予約する手続きへ移ります。
個人事業主がUR物件を借りるための条件
UR は審査基準がはっきりしています。個人事業主だからといって、門前払いされません。事業内容を問われることもなく、家賃に応じた所得の条件をクリアできれば物件が借りられます。
世帯で申込む場合
家賃 | 所得の条件 |
---|---|
82,500円未満 | 平均月収が家賃の4倍 |
82,500円以上 200,000円未満 | 平均月収が33万円 (年間所得額396万円) |
200,000円以上 | 平均月収が40万円 (年間所得額480万円) |
この表に当てはめると、家賃が70,000円の場合は平均月収28万円、家賃が10万円の場合は平均月収33万円が条件になります。そして単身者の場合は、少しだけ条件が緩くなります。
単身者が申込む場合
家賃 | 所得の条件 |
---|---|
62,500円未満 | 平均月収が家賃の4倍 |
62,500円以上 200,000円未満 | 平均月収が25万円 (年間所得額300万円) |
200,000円以上 | 平均月収が40万円 (年間所得額480万円) |
個人事業主の場合、所管の税務署へ行って「前年分の納税証明書(その2)」を発行してもらいます。そこに記載のある所得金額から、平均月収を判断。経費を引いた所得が480万円あれば、どんな物件でも借りられます。
20万円未満の物件であれば、年間の所得額396万円が必要です。そしてもし収入条件でクリアできなくても、別の条件が用意されています。
年収の審査に必要な書類は納税証明書のみ。押印がある確定申告書の控えでも審査はできません。
ちなみに、サラリーマンの場合は前年の源泉徴収票を提示します。
収入条件をクリアできない場合
収入はないけどお金がある人に向けた条件で、どちらかを満たせば契約できます。
- 1年分の家賃を先払いする
- 貯蓄額が家賃の100倍ある
先払いの場合、期間が終われば月々の支払いに切り替わります。ただし、先払い期間における途中解約はできないので要注意。
上記の条件をクリアできなくても、他に特定の条件を満たしていると 収入基準の特例 を受けられる場合があります。詳細は UR の公式サイトを確認ください。
内覧予約から本契約までの期間は短い
仮予約状態になると、その物件は独り占め状態になります。他の人に先を越されて契約される心配はないものの、契約締結までの期限が限られています。
- 内覧は予約から1週間以内に行う
- 内覧予約から2週間以内に契約の書類提出
- 書類提出から1週間以内に契約締結(敷金等の支払い)
- 物件によって契約後の即日入居可
上記内容は、公式サイトの掲載事項です。しかし物件によって異なるケースがあるようです。僕の場合は、契約の書類提出日に即時審査されて、その場で契約締結に至って敷金等を支払いました。物件を見つけてから、わずか10日ほど。あっという間の出来事でした。
まとめ
- UR 賃貸は個人事業主でも借りられる
- 契約条件は家賃に応じた収入があること
- 収入がなければ家賃の年払い契約で対応可
- 礼金0円、仲介手数料0円、更新料0円、連帯保証人不要
- 内覧予約から本契約まで3週間程度
一般的な賃貸物件では、個人事業主であることが原因で断られるケースがあります。しかし UR 賃貸であれば、収入などの条件をクリアするだけ借りられます。そして収入がなくても、1年分の家賃前払いでも対応可能です。
UR の良いところは、会社員でもフリーランスでも物件を借りるための審査条件が同じであり、その内容が明確に提示されている点。個人事業主が安心して物件探しできる、唯一無二の存在です。
鉄道の駅から離れた物件が多かったり、築年数が浅い物件が見つかりにくいデメリットはあるものの、在宅ワークがメインの職種においてはマイナスに感じることはありません。むしろ団地街に住むことで、スーパー等のお店が近くに何店舗もあり、駅前よりも食料品や日用品を安く買える恩恵を受けられます。
一人暮らし用のワンルームから 4LDK のファミリー向けまで、物件のラインナップは豊富です。そして不動産屋のような営業電話もありません。気軽に物件探しをするなら UR 賃貸、おすすめします。