旅とガジェット、日常をつづるブログ「エヌクラ」

海外旅行でAnker大容量モバイルバッテリー(27650mAh)は機内持ち込みできない?!

公開日:
海外旅行でAnker大容量モバイルバッテリー(27650mAh)は機内持ち込みできない?!

日本から持っていたモバイルバッテリーが、訪れた外国先から出国するときに没収されてしまう。こんな悲しいエピソードが、実際に起こり得るのをご存知でしょうか。

場所は台湾の空港。打首獄門同好会のリーダー大澤さんの高価なバッテリーが……。

没収されたのは Anker Prime Power Bank 27,650mAh の超大容量バッテリー。高性能であるため、お値段も2.5万円と購入品。しかし大容量過ぎると、海外から持ち出せないケースがあるというお話。

没収されたのは、こちらの製品です。

なぜ台湾でモバイルバッテリーが没収されてしまったのか

一言で伝えるなら、安全性の問題によるもの。過去にモバイルバッテリーが飛行機内で爆発した事故が、多数発生しています。例えば次の記事では、台湾からのシンガポール便においてモバイルバッテリーが発火したため、飛行を中止した様子が綴られています。

日本だと PSE マークの付いた製品しか販売できないため、ある程度は安全性が保証されているものの、あくまで日本標準の独自ルール。世界標準として、リチウムイオン電池は機内持ち込みにおいて注意が必要なものとして取り扱われます。

そのため機内持ち込みにおいて、容量制限が設けられています。ここが国によって、ちょっとルールが異なる様子。なお預け入れ荷物にモバイルバッテリーが NG なのは日本も同様。

100Wh 以上は要注意

実際に今回のケースでは、バッテリー容量が大きすぎて没収されました。細かい情報がないので一部推測となりますが、台湾のエバー航空の公式サイトには次のような記述があります。

事前にエバー航空へご連絡いただき、承認を得られた場合は、100Wh ~ 160Whの予備リチウムイオンバッテリー (ポータブル充電器およびパワーバンクを含む) をお1人様最大2個、機内持ち込み手荷物として機内へお持ち込みいただけます。

エバー航空の場合は事前連絡が求められているため、許可なく持ち込もうとして NG になった可能性が考えられます。なお 100Wh 以下は個数制限ありですが持ち込み可能で、160Wh 以上は無条件で持ち込み禁止。

一方日本の場合、ANA や JAL の公式サイトには 160Wh 以上が持ち込み不可と記述があるに留めています。

これは台湾に限った話ではなく、海外では大容量モバイルバッテリーが没収されてしまうケースがあるため、容量は 100W 以下にしたほうが良いというのが今回の結論です。

100Wとか160Wって何mAhなの?

ワット数による制限があることがわかったところで……モバイルバッテリーの表記を見てみると、バッテリー容量の単位は mAh と記されています。冒頭で紹介した没収されたモバイルバッテリーは 27,650mAh で、ワット数がわからない。

これ、どうやって計算するの?

リチウムイオン電池の場合、定格電圧は約 3.7V です。← 通常時の電気を送る力だと思ってください。電力の計算は A × V です。つまり mAh の容量と定格電圧 (V) を掛け算すれば、目的のワット数 (正確には Wh) が求められます。つまり

27,650mAh = 27.65Ah (mAミリアンペアを1,000で割ってAアンペア変換)
27.65Ah × 3.7V =102.305Wh

これで没収されたモバイルバッテリーが 100W 越えていたことがわかりました。これと同様にワット数を定格電圧で割れば、100W や 160W が具体的に何 mAh なのか計算して求められます。

電力量バッテリー容量
100W27,027mAh
160W43,243mAh

もし 160W まで許容されているなら、40,000mAh の大容量モバイルバッテリーが持ち込めます。そして 100W 制限がある場合は、25,000mAh 程度に抑えておくのが無難です。

海外で機内持ち込みできるモバイルバッテリー

あとは条件に合うモバイルバッテリーを選べば良いだけ。最後に海外でも機内持ち込みできる、高出力・高性能なモバイルバッテリーをいくつか紹介しておきます。没収されて悲しい想いをしないためにも、大容量すぎないモデルを選択しましょう。

以下の2商品は、どちらも折りたたみ式の電源プラグ付き。充電用アダプターを内蔵しているので、これ1台で完結する優れモノ。出力ワット数が 65W あれば、ノートパソコンも問題なく充電できるのがポイント。

Anker Prime Power Bank 20000mAh
※ 最大200Wとは一時的な電力量を指し、機内持ち込みの条件と異なる

この Anker の製品は、アダプターを内蔵する反面サイズが大きいデメリットがあります。大容量だけど、持ち運びに便利なコンパクトサイズのバッテリーを求めるなら CIO のこちらの製品はいかがでしょうか。

モバイルバッテリーを値段で選ぶと処分に苦労するかも?!

最後に余談ですが、モバイルバッテリーに含まれるリチウムイオン電池は簡単に捨てることができません。JBRCに加盟しているメーカーの製品であれば、市役所や大型店舗に設置されている回収ボックスに入れられますが、非加盟の製品は自治体のルールに則って処分が必要です。

これらの話について、諸々面倒だった件について記事にしています。JRBCについても詳しく触れているので参考まで。

モバイルバッテリーは、状態によって有償で処分しなくてはいけない場合もあります。Amazon や楽天で売られている、聞いたことのない中国メーカーの製品は品質も怪しく、安物買いの銭失いになるリスクがあることを承知ください。

絶対に買っちゃダメとは言いませんが、買わないほうが良いし、僕ならタダで貰えるとしても断ります。(捨てるのが大変なのを知っているから)

Anker や CIO をはじめ、JRBCにも加盟していて安心して購入できるメーカーをラインナップしておきます。上記以外のモバイルバッテリーを選ぶ場合の参考にしてください。

\ この記事をシェアする /

Related Entries

About me

NJ

元システムエンジニア。現在は個人事業主として独立。ガジェットのレビューや、旅行の記録、フリーランスの日常をブログで発信。Web サイト運営、ポップデザインや動画制作など、パソコンでモノづくりをしている。

プロフィール詳細