セサミ5レビュー!スマホで玄関を施錠・解錠できてNFCタグにも対応している
手荷物が多いとき、鍵をバッグの奥に入れて取り出しにくいとき、スマホで簡単に玄関の鍵が開けられればいいのに。
そんな問題を解決してくれるスマートロック。高価なものだと数万円する商品もある中、送料込みで5,000円くらいで購入できる超コスパの高いセサミ5 (SESAME 5) を購入しました。
セサミ5は既存の玄関に後付けできる製品で、古いタイプの鍵でも付けられるが特徴。詳しくは後述しますが特殊アダプターを噛ませれば、国内の 99% の鍵に対応可能とうたっているほど、あらゆる鍵に対応しています。
実際に使ってみると、想像以上の使い勝手。施錠も解錠も全てスマホで対応できて、鍵はカバンの中に入れっぱなしで大丈夫。価格も安く、初めてのスマートロックにもおすすめできるセサミ5。詳しい機能紹介を含め、レビューしていきます。
上位モデルの セサミ5プロ は1日200回の開閉にも耐えられるオフィス用モデルなので、今回は標準モデルを選択。
セサミ5の特徴
- 対応している鍵の種類が豊富
- スマホアプリから施錠・解錠できる
- スマホとは Bluetooth で接続
- 設定はQRコードで共有できる
- 解錠後から指定した時間で自動的に施錠できる
- NFCタグのタッチ操作で施錠・解錠できる
- 指紋認証の拡張モジュールあり
- 他、拡張モジュールが複数用意されている
- 施錠・解錠の履歴が残る
- 電池は交換式(約5,000アクション分)
導入は簡単で、スマホに専用アプリを入れてセサミ5と連携するだけ。施錠・解錠の位置を指定すれば、アプリ操作でその指定の位置まで回転する仕組みです。360°自由に回転するので、設置の自由度の高さが特徴。
このセサミ5は、スマホと Bluetooth で接続します。機器を認識できる 10m 以内の範囲であれば、スマホから操作できるというもの。施錠・解錠はとても簡単で、スマホアプリを立ち上げて鍵のアイコンをタップするだけ。
通信の暗号化には、強固な AES-256-GCM と TLS 1.2 を導入しているので、セキュリティー的にも問題ありません。
またアプリ操作をしなくても、NFCタグ を利用する方法もあります。スマホをNFCタグにタッチするだけで、アプリが起動して施錠・解錠ができるというもの。この NFC タグを用意するだけで、セサミ5が使いやすくなります。
NFCタグについては、後ほど説明
アプリから設定したセサミ5の情報は、QRコード化して他のスマホと共有できます。いわゆる合鍵のようなもの。家族のスマホで改めて設定する必要はなく、QRコードを読み取るだけで情報がコピーされます。
鍵の締め忘れが不安であれば、タイマー式のオートロックも用意されています。解錠後、一定時間が過ぎたら施錠する機能です。最短3秒から最長1時間まで。わざと開けっ放しにする機会がない限り、設定しておくと安心です。
単体だと Wi-Fi 接続機能はありません。余計な機能がないから、他社の製品よりも低価格を実現しています。必要であれば別売りの Wi-Fi モジュールを買えば、遠隔操作で鍵の開け締めが可能になります。(鍵の開閉状態も、外から確認できる)
セサミ5に対応している鍵
サムターンを回転して解錠する鍵には概ね対応しています。ただしサムターンの形状が特殊な一部の機種において、公式サイトで販売している特殊アダプター(税込600円・送料無料)の購入が必要です。
セサミ5単体で利用できる鍵
※ 鍵の画像は 公式サイト より引用
- 一般的なサムターンのみの鍵
- MIWA 85RA
これら以外でも、多くの機種でそのままセサミ5が利用できます。
特殊アダプターが必要な鍵
※ 鍵の画像は 公式サイト より引用
この特殊アダプターとは、鍵ごとに用意された専用のアダプターです。公式サイトから税込600円・送料無料で入手できます。セサミ5はこのアダプターのおかげで、他のメーカーと違って多くの機種に対応しているのが特徴です。
自宅の鍵が対応しているかわからない場合
公式サイトのサポートページより。
対応できない鍵はありますか?
以下のタイプの鍵には、セサミの対応ができかねますため、ご購入前にご確認をお願い致します。
- 施錠/解錠の後に自動的に戻ろうとする、施錠・解錠の角度が一定ではない仕様のサムターン(バネ入りなど)
- あそびのあるサムターン
- 二段階の施錠・解錠方式のサムターン
- ツマミを押し込んだ後に回転させるサムターン
- 物理鍵のない電子錠
- 引き戸タイプの上下スライド式のサムターン
また、ご自宅もしくは会社の鍵がセサミに対応しているか不安な方は、以下までお問い合わせお願い致します。
問い合わせ📩: sesame@candyhouse.co
ここに載っていない形状の鍵でも諦めないでください。
Candy House では販売している特殊アダプター以外でも、鍵の形状に応じたアダプターを作成してくれるサービスも用意されています。ここまで柔軟に対応してくれるメーカーはなかなかないので、スマートロックの最初の一歩としてセサミ5を利用するのは本当におすすめです。
では簡単に機能を紹介したところで、実際に設置して使ってみた様子をご覧ください。
セサミ5の開封から設置まで
内容物はセサミ5本体と調整用のスペーサー、スペーサー装着用のネジ・ドライバー、そして設置用の両面テープ、取り付け方法とサポートに関する冊子です。
予め専用アプリを入れてから設定を行います。このセサミという名前、アリババと40人の盗賊の「ひらけゴマ」に由来するのがナイス・アイデアです。(ゴマ = SESAME)
セサミ5を設定する手順
- 本体の電池ボックスを開けて絶縁シートを抜いてふたを閉める
- アプリを起動して新規デバイスを追加する
- デバイスを追加するときにエラーになる(もしくは先に進まない)場合は、本体のリセットボタンを長押し(青ランプ点灯から消灯するまで)して改めて追加
- 動作確認のため、施錠の位置・解錠の位置を仮設定する(あとで設定しなおすので、ここは仮で設定)
- SesameOS を更新する(バグ修正や新機能追加など重要な更新が含まれるので、このように赤いマークがついていたら必ずアップデートを実施)
- アプリから施錠・解錠の動作確認
これで問題なくセサミ5が動いたら、ドアに設置する手順へ進みます。
セサミ5をドアに設置する手順
ここから先は、鍵の種類によってセサミ5本体の調整が必要になります。調整するのは3箇所。
調整が必要な箇所
- サムターンを挟むパーツの高さ
- サムターンを挟むパーツの幅
- 調整用スペーサーの高さ
わが家の鍵は MIWA の 85RA です。鍵と取っ手が一体化している、古い集合住宅によくあるタイプのモデル。MIWA のロゴの下によく見ると型番が刻印されています。
このモデルは、付属のスペーサーを利用すれば対応できるタイプ。次のように調整しました。位置は何度か試して、快適に使える位置を探します。
- サムターンを挟むパーツの高さ: 中(2段階目)
- サムターンを挟むパーツの幅 :中(2段階目)
- 調整用スペーサーの高さ:一番上
まずは高さ。縦にとまっているネジを緩めて、下から2番目の位置に固定します。
続いて幅。初期状態でもサムターンは挟めるのですが、少し余裕がある状態にしておかないと設置時に回転しづらくなる場合があると判明。1段階幅を広げることに。
両方外す必要はなく、片側のストッパーを外して1段階ネジ止め位置をずらすだけ。
うちの鍵は厚みがあるので、付属のスペーサーは必須です。7段階調整できるネジ穴のうち、最も高くなる状態で固定します。(この位置じゃないと、サムターンが軽快に回らない)
これで調整完了です。
取り付け位置を確認します。いきなりドアに貼り付けず、サムターンが快適に回る場所を探ります。固定する位置が見つかったら、マスキングテープなどで印をつけて、本体の両面テープを剥がして玄関に固定します。(取り付け前にドアを拭いて綺麗にしておくこと!)
ギュッと30秒ほど押し付けて完了です。
設置したら改めてアプリからセサミ5の設定を開いて、[角度の設定] から施錠・解錠の位置を修正。手動でセサミ本体のサムターンを回して、アプリ側でタップして位置を確定します。
サムターンを挟むパーツに若干のあそびがあるため、ピッタリ90°の位置で設定するのではなく、きちんと回しきった状態で登録するのがポイント。
あとはアプリから操作して、問題なく鍵の解錠・施錠ができれば設置完了です。
セサミ5を使ってみた感想
実際にスマホから解錠・施錠する様子です。(音が鳴ります)
音は大きめだが使い勝手は良好
目の前にいると、音はやや大きく感じます。しかしドアの外にいたら、気にならない程度の音量です。部屋に入った後は手動で施錠するので、そんなにうるさい印象はありません。スマホ操作からの反応は速く、使い勝手は良好。アプリ操作でエラーになることもなく、想像以上に簡単に導入できたのが嬉しいです。なぜもっと早く買わなかったのかと思うほどですが、最新機種のセサミ5が導入できたので良しとします。
さすがに鍵を持たず外出するのはリスクが高いので、必ずバッグに入れて持ち歩いているものの、鍵を取り出す機会がなくなるだけでここまで快適になるのは意外でした。
じゃあ、アプリを起動しなくても解錠できたらもっと便利じゃない?ということで、スマホの機能を使って NFC タグによる施錠・解錠 を設定していきます。
NFCタグで簡単なタッチ操作化を実現
NFCタグとは、非接触で反応するICチップが埋め込まれたタグです。スマホでタッチして、機能を呼び出せるように設定できる便利アイテムです。
つまり市販の NFC タグを用意すれば、タグにタッチするだけで自動的にアプリが起動して、セサミ5を施錠・解錠できるようになります。僕が購入したのはこちら。自宅をスマートホーム化したくてたくさん入ったものを買いました。
Android は登録が簡単です。アプリでセサミ5の設定画面を開いてNFCタグをタッチするだけで、セサミ5とNFCタグが紐づけられます。設定画面をスクロールすると表示される NFC の項目に、番号が登録されます。
1台のセサミ5に登録できる NFC タグは1枚だけ。この1枚で施錠と解錠ができます。アプリ起動が不要なので、とても便利です。
一方で、iPhone の場合は少しだけ手間が掛かります。 [ショートカット] アプリの [オートメーション] から、NFCタグの読み込み、起動アプリを設定を経て登録できます。詳しくは公式ブログの手順をご覧ください。
登録したNFCタグを解除する場合、設定の NFC の項目をタップして削除できます。
ただNFCタグを利用する上で注意点が1つあって、金属面の上に設置すると読み取りできなくなります。金属製の扉やポストなど、通電する素材の上にNFCタグは設置できません。
うちでは壁に設置して、読み取りエラーが起こらないようにしました。
壁面がボコボコしているので、厚みのある超強力はがせる両面テープ「鬼ピタ」を使って固定しています。これめっちゃおすすめ。
テープ面が柔軟性のある素材なので、凸凹した面も難なくくっつきます。剥がすときは、ひねるように力を加えると綺麗に取れます。室内の壁紙などに貼る場合は、付属のマスキングテープを使えば壁紙を破損させる心配がありません。
うちでは壁に写真を貼ったり、延長コードを固定したり、いろいろな場所で活躍してます。
バッテリーの寿命は1~2年?
バッテリー寿命は公称値で1年以上と記載。こればかりは実際に使ってみないと判断は難しいです。それでも5,000アクションが目安となっているため、開閉頻度で寿命が概算できます。
1日あたりの開閉回数 | バッテリー寿命 |
---|---|
4回 | 3年4ヶ月 |
8回 | 1年8ヶ月 |
16回 | 10ヶ月 |
帰宅後の施錠時など手動で行う場合もあるので、あくまで目安。概ね1年くらいは使えそうです。付属するバッテリーは 中国メーカーの製品 のようなので、買い替え時はパナソニックなど国内メーカーの製品 を使って違いを確認したいです。
今後アップデートで、バッテリー残量の通知機能が追加される予定。
指紋認証や番号認証の拡張性もある
NFCタグだけでなく、別売りのオプション品を利用すればスマホすら使わず施錠・解錠できるようになります。
- セサミタッチ
指紋認証やICチップで施錠・解錠できる - セサミタッチPro
指紋・IC認証に加え番号認証機能つき - Wi-Fiモジュール
遠隔操作やスマートホームで操作できる
セサミタッチは、生体認証を簡単に導入できるアイテムです。セサミタッチProは、オフィスや店舗など不特定多数の人が鍵を開ける必要のある環境で便利だと思います。そして遠隔操作したい場合は、Wi-Fiモジュール必須です。
で、単にスマホなしで解錠したいならセサミタッチが便利じゃない?と気づいて、すぐに追加購入しました。
セサミタッチがあれば、スマートウォッチ (Pixel Watch や Apple Watch) やスマホに登録したモバイルSuicaで、セサミ5を解錠できます。(モバイルSuicaを使っていなくても、おサイフケータイ対応スマホであれば登録可能)
他に普通のICカードも使えるし、指紋認証も利用できます。そして施錠もタッチ操作(手のひらを指紋センサーに当てるだけ)で行えます。
指紋認証による反応は、アプリ操作よりも1テンポ遅いです。指紋は全部で100パターン登録できるので、同じ指を様々な角度から登録しておけばほぼエラーなく解錠できます。またスマートウォッチやICチップ付きのカードで認証するときは、反応が速く使い心地は良好です。
スマホの取り出しが手間でなければ、NFCタグがあれば十分です。ただNFCタグは反応が遅い場合があるので、おまけ程度の機能だと思ったほうが良いです。
手ぶらで施錠・解錠できるのセサミタッチは便利すぎる。
設定方法など詳しくレビューしているので、こちらも参考にしてください。
総評
セサミ5のメリット
- 国内のほとんどの鍵に設置が可能
- スマホで簡単に施錠・解錠できる
- NFCタグを使えばタッチ操作可能に
- 指紋認証・IC認証など拡張機能がある
- 初期導入コストが安い
一般的でない鍵の形状でも、特殊アダプター(税込600円・送料無料) があれば対応できるのはセサミ5最大のメリットです。他のメーカーのスマートロックだと諦めなくてはいけない場合も、セサミ5で解決できるのは大きな魅力です。
そして他のメーカーの製品よりも価格が安いため、導入障壁が低い点もセサミ5をおすすめできるポイントです。
セサミ5のデメリット
- アダプター不要で装着できる条件がわからない
- バッテリー残量通知未対応(今後アップデート予定)
わからないことは CANDY HOUSE JAPAN サポート に問い合わせてもらう方針のようなので、不安がある場合は確認するのが一番です。僕もサイトに掲載がなかった件を問い合わせたら、翌営業日には返信が届いていました。
某◯witchBotの最悪なサポートと比べると雲泥の差。
そう考えると、サポートで簡単に解決できるなら、許容できるデメリットと評価できます。
セサミ5はメッチャ良い!みんな買えばいいよ!
スマートロック SESAME5 セサミ5を導入して数週間。早々に【2023年 買ってよかったもの】に名乗りを上げるくらい、使い勝手がよく満足度が高い製品でした。
NFCタグに対応し、拡張すれば指紋やICチップでも認証できる。ユーザー各々の状況に合わせて環境を構築できる点が素晴らしいです。セサミ5は価格の安さからも、初めて使うスマートロックとしてもおすすめしやすい製品です。
久々にガチで気に入った製品となので、興味のあるかたは是非。
最後に改めて、セサミタッチに関する詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。