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【ライブレポ#3】やっぱりサザンは最高だ!ロッキン2024ひたちなか最後の夏フェスに参戦【ほぼ感想文】

更新日: 公開日:2024/10/01
【ライブレポ】サザンオールスターズ最後の夏フェス ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 ひたちなか参戦

2024年9月23日、天候は晴れときどき曇り。少し強めの風が吹いている。日中は直射日光が暑かったものの、日が陰るとほんのり肌寒さを感じる。ひたちなかのロッキン2024最終日は、チケット SOLD OUT で約5万人の観客が訪れた。

名曲だらけで満足度が期待値を大きく上回り、一気にテンションが爆上がりしたイエモンが終わり、残すはサザンオールスターズのみ。これで ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 が幕を閉じる。

ここまでの流れは別の記事でまとめています。

今回お送りするのは、最後の夏フェスと宣言したサザンのライブレポートです!

ステージが近い特別な前方入れ替えエリア

大満足で終わったイエモン。場所移動は焦る必要がない。ステージに入ってくる人流と逆に向かって、目的の場所へ向かう。目指す場所は、ステージ前の赤い縞模様のエリア。ここは指定席であるため、入場後に場所を取り合うこともない。

最後の最後で、ヤバイ席がゲットできてしまった。

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024 ひたちなかグラスステージ

お金では買えない、抽選で当たった者のみが入場を許される場所。この前方入れ替えエリアは、縦40列、横80人の約3,000人が入場できる。

事前申し込みで抽選が行われ、8月中に当落発表されている。結果としてここまでのアーティストは落選したけれど、奇跡的にサザンオールスターズの前方エリアだけゲットできた。

エリア入場の受付時にスマホの電子チケットを提示するのだが、なぜかドコモの回線だけ電波が入らず。楽天回線に切り替えた僕は入場できても、ドコモ回線の妻はエラーとなり Wi-Fi スポットまで戻って、接続してから受付しなくてはいけないトラブルがあった。

係員の人もドコモだけ電波が入りづらいと言っている。電子チケットのイベントで、スマホの回線が使えないのは致命的。もう夫婦揃ってドコモをやめようか本気で考えるきっかけになった。

なんとか Wi-Fi のおかげで入場して、いざ指定場所までいくと……

ステージ近すぎじゃない?

ロッキン前方入れ替えエリアからの風景

前から16列目。ほぼ中央。下手すれば、例のあの曲でずぶ濡れになる距離感。センターマイクがはっきり見える。ドラムもキーボードも、パーカッションも全部見える。各々枠で区切られているため、隣や前後の人と押し合いへし合いする必要もない最高の環境。

ロッキン2024前方入れ替えエリア

もう始まる前からワクワクが止まらない。

サザン最後の夏フェスが始まる

サザン最後の夏フェス

スタートはほぼ定刻通り。68歳、68歳、68歳、67歳、69歳の入場。還暦を越えても、フェスの大トリを売り切れの超満員で埋め尽くせる唯一無二のバンド、サザンオールスターズの登場だ。最終日はアーティストが一組少ない代わりに、サザンの持ち時間が倍の100分ある。

令和の世に送る伝説の曲

今日のこの日を迎えるまで、どの曲をやるのか想像しながら過ごしてきた。あの曲やるかな?あの曲だったら良いな。できればあの曲を聴きたい。欲望はつのるばかり。膨らみ続けた期待が一気に爆発する。最初の一曲目。

女呼んでブギ (1978)

いきなりこれ?!完全に予想は外れる。この令和の世に反するギリギリグレー、いやアウト寄りのブラックな歌詞の曲で幕を開ける。この曲はアマチュア時代の1977年、ヤマハの音楽コンテストで演奏された曲。その流れからの最新曲、ジャンヌダルクによろしく (2024)。桑田さんのスライドギターのソロが、めっちゃ良いんだわ。

サザンの歴史が物語る

最初の二曲の間にある47年の月日

数字にすると信じられないくらい時間の経過がある。天皇陛下の皇位継承が二度行われ、ポケベルは消滅し、ガラケーや CD ですら過去の産物となり、月1,000円払うだけで手元のインターネットにつながる端末で、世界中の音楽が聴き放題な時代になっている。どこかで時間の進み方が狂ってしまったのではないか?40代の自身の一生より長い時間を、何事もなかったかのように埋めてしまう。それがサザンのミュージック。

そして My Foreplay Music (1981) から海 (1984) へ。

隣にいた金髪のお兄ちゃん、めっちゃ泣いてる。何度もタオルで拭う様子が視界に入る。夕方になり過ごしやすい気温ゆえ、それは間違いなく目から出た汗。この流れはダメだって。海の歌詞は女性目線の切ない歌で、ずっと訴えられてる気がしてならないわけで。

「言葉じゃ言えない "好きよ" Let me kiss you now…」

ノンストップで次から次へ曲が続く。あれ?こんなに MC なく曲が続くことあったっけ?これどこまで止まらないのよ。神の島遥か国 (2005) まで一気に演奏し終えると、桑田さんは赤いテレキャスターからアコースティックギターに持ち替える。

アコギを奏でる桑田佳祐

実はこのギターとか、音作りとか、基本的にはエンジニア任せらしい。リハのときに渡されたギターをそのまま使っているそうで。(2024年9月28日放送 やさしい夜遊び より)アコギから奏でられたのは、栄光の男 (2013)。もう10年以上前の曲だなんて信じられない。最近の曲でしょ、と思ってしまうくらいに年をとってしまったんだなぁと実感。

ここまで1970年代から2020年代までの曲が、てんでバラバラに演奏される。でも、僕がサザンと出会った頃の年代の曲だけが、まだ残っている。他の曲の年代は正確にわからなくても、この時代だけは学生時分の記憶として鮮明につながっている。

さあ90年代の曲よ、そろそろ出番じゃない?どの曲でも準備は万全!

愛の言霊 〜Spiritual Message〜 (1996)

うわぁ。マジか。ステージが真っ赤に染まる。僕にとっては、世に万葉の花が咲くなり、Young Love、さくらの三枚、そしてベスト盤の HAPPY! は、CD が擦り切れるくらい持ち歩いて聴いたアルバム。特に大好きな Young Love 時代の曲が聴けただけで、今回のライブに来た価値があるようなもの。

間奏はスタジオ録音の音源と異なるアレンジ。ライブでしか聴けない醍醐味。どうもゲネプロ(通しリハーサル)時点では完成しておらず、そのあと何度も間奏を練習して本番までに仕上げてきたらしい。30年近く経った曲なのに、直前までいじっていたなんて、そんな苦労話が知れただけでも感動してしまう。(2024年9月28日放送 やさしい夜遊び より)

もちろん後奏のラップはフルで歌っている。これは熱い。

この先どうなっちゃうの?!と迷子になっていると、ド直球のいとしのエリー (1979) が来る。いやもう、桑田さんズルいわ。ここまでワーワー騒いでいた会場も、一気に曲を聴き入るモードに。静かなる合唱。隣の金髪も泣いている。

僕が一番好きな歌

演者も観客も休んでいる暇はない。サザン最後の夏フェスを体の隅々まで、思い出として染み込ませなくては。流れ的には、ここで一旦締めて後半に向かう雰囲気かと気を抜いていたら、全くサザンのアクセルが緩まない。ずっとトップギアのまま。

思い過ごしも恋のうち (1979)

なんだこの曲順は。シングルの発売順で並べてきたよ。もう言葉にならない。何か夢でも見ているのではないか。僕にとっては、サザンで一番好きな曲のうちの一つ。やっとライブで聴けた。サザンを知って、過去を振り返って出会った曲。8cm シングルの購入から30年以上経つ。感無量とはまさにこのこと。

バックモニターには昔のサザンオールスターズのメンバーの様子が映る。もう50年近く活動してるわけだから。本当にすごいよ。ここで思い過ごしも恋のうちを入れたのは、ファンの人に甘える時間だったそうです。(2024年9月28日放送 やさしい夜遊び より)

夏フェスは最後だけど、秋はね

ようやくここでブレイクタイム。ここまで出演したアーティストの話に触れる。最後にみんな出てくれば良いのに、みたいなことを言ってたけれど、まさか最後にあんなことになろうとは。

また夏フェスは最後だけど、秋はね……と桑田さんらしい含みを持たせた一笑いを。

そして景気付けに観客とのコール&レスポンス。まだレスポンスできるくらい喉は元気。よかった。余談だが、どうも Creepy Nuts がお気に入りらしい(笑)みんなでウォーウォー声を張り上げたのは、次の曲へのウォーミングアップであったのだろう。東京 VICTORY (2014) へとつながっていく。

みんなで拳を突き上げるのがめっちゃ気持ちいい曲。思う存分に手を上げ手拍子をし、足でリズムを取って叫べば良い。もうここまで来たら、明日か明後日は筋肉痛だ!

アドレナリンが出すぎて、疲れているのかもわからない。もうどうにでもなれ。曲が終わり力が抜けたところに、真夏の果実 (1990)。いとしのエリーとは違う、じわっと染みる夏の定番曲。大きいステージであるのを忘れてしまうほどのシンプルな照明の演出。数分前のウォーウォー騒いでいたのとは一転。みんなが曲に耳を傾ける。隣は大号泣だ。

曲終わりに星のように照明が輝く。そして夏の終わりを告げるかのように、一瞬強い風が横切っていく。これで時代が一区切りするかと思うと、少し悲しくなった。

時代をまたぐサザンの名曲が続く

そしてまた今年の新曲、恋のブギウギナイト (2024) へ。令和の世に送る昭和のダンスナンバー。ステージから放たれるレーザーが会場全体を覆う。

Aメロを低いキーで歌う独特な入り方をする同曲。最初聴いたときは、なんじゃこれと思ったけど、聴けば聴くほど安定のサザンミュージックに仕上がっている。こうやって素直に鑑賞させてくれない曲を時折放り込んでくるのがサザンなんだよなぁ。

さあ、ここから一気に終盤戦へ突入だ!LOVE AFFAIR ~秘密のデート~ (1998)マチルダ BABY (1983)ミス・ブランニュー・デイ (1984)

LOVE AFFAIR は、思い過ごしも恋のうちに並ぶ大好きな曲。"好き合うほど何も構えずにただの男でいたい" なんて、めちゃめちゃ良い歌詞すぎる。散々カラオケでも歌ってきた。歌詞カードなんていらない。みんなこの曲が大好きなのは、サビの大合唱を聴けばわかる。

そしてアルバム「綺麗」のオープニングを飾る曲。大きなモニターに映る演者に、ドット絵のゲームの世界に入り込むような映像が重ねられ、独特な雰囲気を醸し出す。ステージ上は曲に合わせて炎の柱が何本も上がる。様々な音楽ファンが入り乱れるフェスなのに、アルバムでしか聴けない曲を放り込んでくるサザン。最高かよ。

マチルダ BABY からミス・ブランニュー・デイへの流れが、めっちゃカッコいい。原由子のシンセサイザーが鳴ったときの高揚感。そこから HEY!HEY!と掛け声をあげるイントロ。この流れは2013年のライブ DVD で見られるので、ぜひ。

今年も放水の時間だ!

スタッフが出てきて、いそいそと機材にビニールをかける。もうそろそろ終わりの合図。ここまででも十分に満足できるライブだけど、終わると思うと悲しい。もうこうなったら、前列の特権でぶっかけまくってもらおう。

いつもと違う、マイナー調で始まる前奏。

ひたちなAmかロッキンDmジャパン
ありGとうみなC E7
フェAmスは暑Dmぎて
さんB7と婆さんE7は Good-baAmy
行かないAmでサザンDm
泣かGいで渋谷C E7
Am色社Dmのみなさん
これからB7はよろしE7お願いしまAm (Am6)

みんなのうた (1988) が始まる。

消防用のホースを持つ桑田さん。なりふり構わず観客に向けて放水が始まる!あの水はどこまで濡れるのか?16列目まで届くのか?!念の為、濡れる想定の格好をしている。下は海パン。着替えも用意している。こんなに前で見られる機会はないんだから、ここまで来たら「水くれ!」と。結果はいかに?

一瞬、ちょっとだけ掛かっただけ(笑)

この日は横風が少し強く吹いていた影響もあって、ホースの水が左側に流れていた。僕たちのいる列まではギリギリ届かず、残念。まあ夏フェスと言っても9月の終わり、秋の気候が見え隠れするのを肌寒さが伝えてくれる。冷静になると、濡れなくて良かったんじゃないかと思う側面もあったり……でも本音はずぶ濡れになって歌いたかったな。

みんなのうたは、手を上げて左右に振る時間が楽しい。一体、いつからこのフリがあるのだろう。僕が高校生のときに行ったライブでは、既に出来上がっていたと記憶している。なお観客の中には、まれに逆に手を振る人がいる。そういう人に限って、自分が逆であることに気付いてないし思いっきり振ってる。隣の人がこれだと、ガチで手がぶつかる。みんなのうたあるある。大丈夫。隣は逆じゃないし、ちゃんと泣いてる。

ぜひ過去のライブ映像で、雰囲気だけも味わって欲しい。最後に大きい手が出てくる。

大人気のピンク曲で締めるサザン

さあ桑田さんが、ピンクのヘルメットを被ってきた。頭頂部には波平さんのようなニョロっとした何か(笑)が付いている。サザンオールスターズじゃないと、こんな歌詞の曲を日本中に広められない。サザンを成分表示したときに、尖りまくってる部分の要素を固めたこの一曲。

マンピーのG★SPOT (1995) で本編を締めくくる。

モニターには G の文字が入った松茸とアワビが流れている。背景はマッサージ機。ステージ全体に広がるダンサー、ピンクでエロスな舞台の上では70歳手前のジジイが、マンピーのG★SPOTと叫びまくる。それに喜んで五万人がチャチャッと手拍子でレスを返す。とんでもない曲だ(笑)

だけどゴリゴリのディストーション掛かった重いギターリフから始まり、シンセサイザーのイントロから一気にアップテンポに持ち上げる、超ロックでカッコいい曲なんだ。

これで僕が一番好きな曲がコンプリートされる。

アンコールは独特な雰囲気に

フェスにおけるアンコールは、その日の最後のアーティストだけが行える特権。ステージをはけて早々にアンコールムードに。サザン最後のフェスが終わってしまう。何か周りの空気がおかしいとふと振り返ってみると、光の粒がたくさん見える。それはスマホのライトだった。少しだけ坂になっているひたち海浜公園のステージのお陰で、前方の僕たちからは信じられないくらい綺麗に映った。

最後に載せた動画の39秒あたりに、このときの様子が映っています。

嬉しいことにアンコールは二曲、希望の轍 (1990)勝手にシンドバッド (1978) と続く。どちらも大合唱必須案件。これで最後だとわかっているので、みんな全力で歌う。ここまでのどの曲よりも観客の声が聴こえる。

この日一番の特大ボリュームでの「今何時?」

♪ラーラーラーラララー と回数を重ねるごとに喉が限界に近付いていく。最後まで突っ走れるか?!ん?まだ終わらない?何が起こった?!ステージ脇から、この日の演者が登場する。ヤバイTシャツ屋さん、ももいろクローバーZ、緑黄色社会、Creepy Nuts、WANIMA、THE YELLOW MONKEY と勢揃い。こんな贅沢なラストある?

ショーの終わりをサザンオールスターズが始まったこの曲で、締めくくる。出演アーティストもみんなサザンファン。イエモンの吉井さんですら、サザンのコピーバンドから音楽活動が始まってるくらい。桑田佳祐はじめサザンオールスターズの面々の偉大さは想像を超える。

大・団・円

桑田さん、アーティスト名を呼んで♪ラララーのコール。突然ステージ上でマイクを向けられて、レスを返すアーティストたち。これはもうサザンのフェスだ。そしてふと気づく。どのアーティストもめっちゃ近い。こんな目の前でももクロの四人が見れるなんて、この先ないのでは?前方エリア、ヤバすぎるだろ。

桑田さんに締めの挨拶を、と振られたのはももクロの玉井詩織ちゃん。頭には C の文字の野球帽を被っている。茅ヶ崎一中野球部のレプリカの帽子。一年前に桑田さんから譲り受けたもの。しおりん、驚きのあまりに泣いてる。安心してほしい、隣も泣いてる。

「桑田さんのおかげでしおりという名前になりました」

両親がサザンファンで、栞のテーマが由来で名前がついたのは知る人ぞ知るエピソード。そこで敢えてパスを渡す桑田さん、粋だね。

全19曲、大ボリュームのライブ。約100分のライブ時間に、最後の挨拶を加えると二時間近いショータイムとなった。最後に全員集合の写真を撮って、サザンオールスターズ最後の夏フェスは終わりを迎える。

ステージの暗転とともに、左手奥から終演と夏の終わりを告げる花火が上がる。とても綺麗だ。

総じて、桑田さんの声が通っていた印象が強いライブでした。二時間近く歌って、動き回って。70歳手前なのが信じられない。20年前に観たライブよりも、今回のほうが圧倒的に満足感の高いものになった。もうこの先、こんな近い席で見られる機会はおそらくないでしょう。とても貴重な体験です。自身の中でも指折りの、一生の思い出。

ありがとう、サザン!

フェス終了から会場を出るまでの様子は、こちらに記しています。よろしければ参照ください。

サザンオールスターズ セットリスト

  1. 女呼んでブギ
  2. ジャンヌ・ダルクによろしく
  3. My Foreplay Music
  4. 神の島遥か国
  5. 栄光の男
  6. 愛の言霊 ~Spiritual Message~
  7. いとしのエリー
  8. 思い過ごしも恋のうち
  9. 東京VICTORY
  10. 真夏の果実
  11. 恋のブギウギナイト
  12. LOVE AFFAIR ~秘密のデート~
  13. マチルダBABY
  14. ミス・ブランニュー・デイ
  15. みんなのうた
  16. マンピーのG★SPOT

ENCORE

  1. 希望の轍
  2. 勝手にシンドバッド

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NJ

元システムエンジニア。現在は個人事業主として独立。ガジェットのレビューや、旅行の記録、フリーランスの日常をブログで発信。Web サイト運営、ポップデザインや動画制作など、パソコンでモノづくりをしている。

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